● ロープを使用する前には必ず点検をして、損傷状態、傷、変色、ねじれなどがないか調べてください。 (ロープは日時の経過とともに品質が劣化したり、保存方法でも品質の劣化が進みます。) ● そのロープの耐荷重範囲内で使用してください。また、使用方法によって耐荷重が違ってきます。 荷物重量自体に対しての耐荷重: ロープ強度の 1/6 荷物の持ち運びに必要な耐荷重: ロープ強度の 1/10〜1/8 急激な力が加わる時に必要な耐荷重: ロープ強度の 1/13 フックに掛けるなどロープが急激に屈曲するケースの耐荷重: ロープ強度の 1/4 ● ロープを結ぶと、結び目の強度は約40%減少します。 ● ロープに負荷を掛けた場合、結び目に力が集中します。ロープをつなぎ合わせる場合の結び方は、 ロープの先をほどいて撚り継ぎ(相差し)をする方が、より効果的です。 ● 滑車に使用する場合、サイズが小さすぎると、特に摩耗の進行が早くなります。 ● 高熱と直射日光にさらされると劣化が激しく、保存時には十分に注意してください。 ● 化学繊維ロープは日光(紫外線)に弱く、60℃を超える高温で使用すると、強度低下が進行します。 天然繊維ロープの場合は、比較的熱や日光に耐えられます。 |
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警告: この製品で物を吊り上げたり、人の体重をかけるなど、大切な物の破損や、人の命(安全性)に関わる 状態や場所では、決して使用しないでください。 |
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【 ロープの切断と末端処理の方法 】 ● ロープは切断する部分に、前もってビニールテープを(6〜7cm幅に2〜3重)強めに巻き、その中心部分を ハサミかナイフ等で切るとばらけ難くなります。 ● 化学繊維ロープは、先端部分を高熱で溶かして固め、撚りのばらつきをおさえる方法がありますが、その場合は 十分な注意が必要です。 天然繊維ロープは、熱に溶けませんのでビニールテープを巻いて切ってください。 |
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【 ロープの特性 】 四段階方式で特性を表にしました。 ○○○○が最適です。 | |||||||
ナイロン | ポリエステル | ビニロン | ポリエチレン | ハイクレ | 綿 | ||
衝撃性のある運搬 | ○○○○ | ○○ | ○○○ | ○○○ | ○○○ | ○ | |
カビに対する耐久 | ○○○○ | ○○○○ | ○○○○ | ○○○○ | ○○○○ | ○ | |
腐食に対する耐久 | ○○○○ | ○○○○ | ○○○○ | ○○○○ | ○○○○ | ○ | |
日光に対する耐久 | ○○○ | ○○○○ | ○○○ | ○○○ | ○○ | ○○○○ | |
取り扱い | ○○○○ | ○○○○ | ○○○ | ○○○ | ○○○○ | ○ | |
熱(軟化度) | 180℃ | 240℃ | 220℃ | 120℃ | 120℃ | ||
保管の状況 | 濡れOK | 濡れても良い | 濡れOK | 濡れても良い | 濡れても良い | 乾いた状態 | |
油・ガス | ○○○○ | ○○○○ | ○○○○ | ○○○○ | ○○○ | ○○ | |
酸に対する耐久 | ○○○ | ○○○○ | ○○○○ | ○○○○ | ○○○○ | ○ | |
摩擦 | ○○○○ | ○○○○ | ○○○ | ○○○ | ○○○ | ○○ | |
丈夫さ | ○○○○ | ○○○○ | ○○○ | ○○○ | ○○○ | ○ | |
浮力 | 沈む | 沈む | 沈む | 沈む | 沈む | 沈む | |
【 ロープの新品時における耐荷重強度 】 〈単位:Kg〉 | |||||||
3mm | 4mm | 5mm | 6mm | 8mm | 9mm | 12mm | |
ナイロンロープ | 260 | 500 | 1200 | 2200 | |||
ポリエステルロープ | 600 | 1200 | |||||
ビニロンロープ | 70 | 120 | 180 | 260 | 440 | 560 | 1050 |
ポリエチレンロープ | 80 | 140 | 200 | 300 | 500 | 600 | 1100 |
ポリプロピレンロープ | 140 | 210 | 300 | 500 | 600 | 1100 | |
綿ロープ/綿組ひも | 20 | 60 | 80 | 110 | 200 | 300 | 430 |
ハイクレロープ | 140 | 200 | 280 | 490 | 600 | 1100 | |
● 表記耐荷重強度を決して超えない範囲でご使用ください。 ● ロープの使用は様々であり、人の体重をかけるなど、人の命(安全性)に関わる事や、大切な物が破損する恐れの ある場合は、使用しないでください。 特に伸度の大きなロープ(ナイロン等)に、負荷がかかっている状況での切断は、瞬発的に大きな力で跳ね 返ります。その結果、重大な怪我や死に至る原因になる可能性があります。 使用目的、使われる場所、ロープの状態、使用方法、性質を総括的に述べる事は出来ませんが、 目安としてロープの特性と耐荷重を表に致しましたので、ご参考にしてください。 |
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【 危険なロープの見分け方 】 |
次のようなロープは危険ですから、使わないようにしてください。 ● キンクの出来たロープ。 キンクとは『く』の字形に屈触した部分を示す。 天然繊維ロープは、キンクによる強度低下が著しく、 化繊ロープの場合は強度低下は少ない。 また、組ひもはキンクが生じにくい。 ● 撚りがかかり過ぎたり、撚りが戻ってしまったロープ。 ● 急激な力や過重のかかったロープ。 ● 腐食したロープ。 |
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ひねりと、ゆるみを同時に受け、その状態で 引っ張る力が働くとキンクが生じる。 |